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SUMMIT2024 REPORT【大賞チームインタビュー】
「こんなに嬉しいのは、いつぶりだろう」
自分たちで決めて、価値を生み出す体験が成長につながる

2025年221日、11年の歴史に幕を閉じた「新世代エイジョカレッジ(エイカレ)」。
営業職の女性が直面する課題に挑み、現場発の変革を実現してきたこのプログラムは、
最終年度となる2024年度も、強いインパクトを残してフィナーレを迎えました。
 
エイカレ2024 開催レポートはこちら
 
今年のサミットで栄えある「大賞」に輝いたのは、商船三井ロジスティクス株式会社の「Blue Link」チーム。
輸送のプロフェッショナルとして複雑かつ専門的な知識が求められる同社において、ナレッジ共有の仕組みを自分たちの手で開発し、全社へと波及するプロジェクトを成功させました。
 
本記事では、彼女たちがエイカレで体験した「変化の始まり」と、それが組織に与えたインパクトについて、インタビューをもとにご紹介します。


 

「孤独なジェネラリスト」から「キョウリョク(協力/強力)なスペシャリスト集団へ」
営業担当者とエキスパートをつなぐ施策として、
社内実践講座の開催、及び、専用アプリを通じた質疑応答で好循環を創出

 
商船三井ロジスティクス株式会社  「Blue Link」

チームメンバー
関西支店営業二グループ 専任課長 小形真李奈さん
中部支店営業グループ 課長代理 亀山佳奈絵さん
営業戦略部営業戦略グループ 課長代理 西出有希さん
 
(写真、左から  所属は取材当時)


知識の属人化を防げ! 営業のアタリマエに風穴を開ける

 
商船三井ロジスティクス社の営業職には、輸送のプロフェッショナルとして広範囲にわたる専門知識が求められます。しかし、そうした知識は各営業が自己学習で習得していくのがこれまでの「当たり前」だったそうです。
 
「社内に知見はあるのに、うまく共有されない」「エキスパートの知識が属人化されているのかもしれない」
──そんな課題に対して、「Blue Link」の3人は、社内エキスパートによる実践講座と、専用アプリ&AIチャットボットを活用したナレッジ共有の仕組みを構築。知識と経験を社内全体で循環させる「ネットワーク型学習モデル」を生み出しました。
 
わずか数ヶ月でこの実証実験を実現させた背景にはどんな想いと準備があったのでしょうか。受賞チームのお三方に伺います。
 

ーまずは、大賞受賞おめでとうございます! 改めて今、どのような感想をおもちですか?
 
小形 一番が取れた、というのが本当に嬉しかったです。エイカレに充てる時間を捻出して準備をしましたし、たくさんの人に協力してもらったり、応援してもらったりしましたので、改めて振り返ってもやはり「嬉しい」の一言に尽きます。
 
亀山 所属する部署の方々から「大賞をとってこいよ!」と激励されていたんです。メンバーも皆、気合い十分で挑んでいたので、結果につながって本当に良かったです。大賞が発表された瞬間は「こんなにも嬉しいと思ったのはいつぶりだろう」と思うくらいでした。

 

「一過性で終わらない、継続性のあるテーマに」~実証実験の裏側

 
ー実証実験のテーマはどのようにして決められましたか。
 
小形 エイカレ期間中だけで終わってしまうような、一過性の取り組みにはしない、というのは3人で一致していました。長期的に浸透するような施策にするにはどのようなテーマとアプローチが必要か、時間をかけて話し合いました。週に2回、2時間くらいはミーティングをしていたと思います。
 
全員が腹落ちしてやらないと、後々、実証実験に影響すると思っていましたので、3人とも年次もバラバラですが、1メンバーとしてはっきり思っていることを言うようにし、最後はスッキリまとまったと思います。
 
亀山 オンラインミーティングやチャットを使って3人で密にコミュニケーションを取っていました。実は最初は「本当にこのテーマでいいのか」と思ったこともあったのですが、2人に相談して、腹落ちするまで付き合ってもらったので、実証実験の段階では一切迷いなく取り組めました。
 

エイカレサミット2024 ファイナリストプレゼン

 

「自分が主語」の面白さ~自分の「変えたい」が形になる

 
―実証実験で開発したアプリは、みなさんご自身によるものと聞いて驚きました。どのように作られたんですか?
 
西出 マイクロソフトのアプリケーションを使って構築しました。週末に動画などで学習し、平日の業務後の時間で実装していくような進め方です。開発がリフレッシュの時間にもなって、ストレスなく、楽しくやれたと思います。

 

実証実験は「誰もやったことのない新しいこと」だったと思います。結果的には54名の営業職が実践講座を受講し、176時間分の学習時間を効率化できたという試算も出ました。その結果を見て、どのような気づきがありましたか。
  
小形 コミュニケーション不足の弊害を改めて感じました。営業にどんどん新しい人が入ってくるのに対し、「社内の人脈がないと成長できない」という構造になっているのが課題だと思ったのが今回の実験の背景です。
縦、横のつながりの重要性を感じると共に、この取り組みが継続していけばいいなと感じています。
 
西出 人材不足が課題となる中、入社後、順を追って成長できる仕組みを整えていく必要性は絶対にあると感じました。最低限の土台、知識を底上げすることはできるのではないかとも思い、改めてプロセスの標準化というところに重要性を感じています。

「自分で決める」の重さと楽しさ

 
―ご自身のキャリアや営業という仕事に対して変化はありましたか。
 
西出 自分たちで何かを決めて先導していくこと、新しい価値を生み出すことは、普段の業務だとなかなか体験できません。エイカレで実験に取り組んだことで「決める」という立場には責任が伴うことが体感できました。また、経営やマネジメントの立場の視点を身につけることができたかなと思います。
 
小形 入社してから営業の仕事だけを続けてきたので、今回社内で色々折衝し、施策を進めていくというのが初めてで、本当に貴重な経験になりました。
管理職に対するイメージとしても、自分の下で働く人たちには楽しく働いてほしいと改めて思いましたし、チームづくりの勉強にもなりました。
 

 
―今後は、この経験をどのように活かしていきたいと思われますか。
 
小形 今回の実証実験は能動的に動いて会社を変えていこうという動きだったのですが、この実験を機に、こうした施策が社内でどんどん生まれてくるといいと思っています。自由闊達な意見が飛び交う風土にしていくために何ができるのかを、改めて考えていきたいです。
 
西出 私が感じたのは、一人の力では限界があるということです。今回の「プロセスの標準化」は、エキスパートチームという方々の助けや営業担当者の理解があったからこそ実現できました。今回のように、それぞれ得意な分野を活かし合いながらコラボレーションができるような動きをしていきたいと思っています。また、この取り組みを軌道に乗せられるよう、引き続き邁進していきたいと思っています。
 

チームリーダーの西出さん

 

「社外にも仲間ができた」──変革リーダーのネットワーク

 
―エイカレでの他業種他社との交流による気づきや、刺激はありましたか。
 
亀山 業界や年齢が違えども持っている悩みは似ている、という気づきは非常に大きかったですし、他社の実験にも興味が湧きました。
中でも印象に残っているのは、バディチームだったコニカミノルタチームとのやり取りです。テーマを決める時にはオンラインでフィードバックし合いましたし、一次が終わった時には「とても良かったです」とコメントをいただいたりしました。社外にも戦友のような仲間ができ、視野が広がる、非常に良い機会になりました。
 

「誰かが変える」から「私が動く」へ──エイジョへのメッセージ

 
―最後に、エイジョへのメッセージをいただけますか。
 
西出 皆さんそれぞれに、会社に対する悩みや思いがあると思いますが、誰かが解決してくれるというマインドだと解決にはつながりにくいと思います。
「自分には何ができるのだろう」「誰に協力してもらえば変えられるのだろう」という考え方にスイッチを切り替えると、前向きに仕事に取り組むことができるようになるのではと思います。

 

事務局の声
 
ムーブメントを継続できるよう、人事部もサポートしていきたい
人事部 副部長 阿部 圭子 様
 
今回参加させていただいて本当に良かったと感じています。
営業部門の方々も彼女たちの実証実験に色々と協力してくれて、社内の反響も大変大きかったので、これから良い波が社内で起きていくのでは、と思っているところです。
このムーブメントをどうしたら継続できるのかというところについては、これからだと思います。
また、チームメンバーの発言にもあったように、コミュニケーションの大切さを改めて感じています。研修やツールなどの提供が一方通行になっていないかどうかを考え、双方向でコミュニケーションをとりながら施策を導入していくことが重要だなと感じています。
 
社内外でイノベーションが起きるきっかけに 
執行役員 能登 亮 様
 
自分たちが直面している課題にまっすぐ取り組んだことが受賞につながったのだろうと感じています。
これから、自分のミッションを達成するために、自分でソリューションを見つけ、協力者を見つけ、実らせていくことを意識していってほしいと思います。
 
改めてですが、女性でも、男性でも、若手でも、シニアでも、社内外で必要な人につながり、自ら動いていくことでイノベーションが起きてくると思います。エイカレは今回でフィナーレとのことですが、今後、業種や性別などを問わない実証実験の場が作られると伺っていますので、非常に期待しています。

阿部さん(一番左)、能登さん(一番右)とチームメンバーの皆さん

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