EIJYO COLLEGE SUMMIT 2021 開催!
2022年2月22日、「新世代エイジョカレッジ(エイカレ) サミット2021」を開催しました。
エイカレ2021テーマ
〜サステナビリティ時代の営業モデル創出〜
2021年度は、今だからこそ求められる、サステナビリティ(持続可能性)に注目。
12の企業チームから参加した営業女性(エイジョ)が、これまでの「当たり前」を崩し、顧客価値と労働生産性の向上を実現する「サステナブル時代の営業モデル創出」に挑戦しました。
プロジェクトの総決算となるエイカレサミット2021では、ファイナリスト4チームの最終プレゼンテーションとアワード表彰が行われ、ゲストとしてお迎えしたエール株式会社 取締役 篠田 真貴子氏の特別講演をいただきました。
エイカレ2021 ファイナリスト プレゼンテーション
参加12チームの中から、事前審査にて選出されたファイナリスト4チームが、オンラインにて最終プレゼンテーションを実施。
大賞と特別審査員賞が決定しました。
エイカレ2021 大賞
中外製薬株式会社「ぎぶみー5」
不妊治療の悩みが「言いづらい」という現状を破壊し、属人化しない営業を目指すための施策を実施した「ぎぶみー5」チームが大賞を受賞しました。
ぎぶみー5チームは、表面化しづらい「不妊治療の悩み」に注目し、妊活の悩みが「言いづらい」職場環境を変えるために以下の実験を行いました。
- ライフサポート検証(ライフに関する面談)の実施、上司向けマニュアル・聞き取り表等の作成
- 不妊治療シミュレーション(通院と仕事の両立について検証)
- 啓発となる不妊治療の知見者レポート、座談会動画配信
結果として、不妊治療の「言いづらさ」を一定程度解消することができたほか、治療等で急に勤務できない状況になった際の対応としてチーム内で担当を見直すなど、属人化しない営業を実現するための取組みに繋がりました。
審査員を務めた佐藤博樹教授(中央大学大学院 戦略経営研究科)からは、「育児と家事の両立支援は整ってきたと言える中、不妊治療という、見えにくい課題にアプローチした点が素晴らしかった。『他人に言いにくい』ことを言える職場づくりは、介護や病気治療、家庭の問題など、多様な人材が働く職場でより継続的な支援を必要とする課題にも転用できる可能性を感じた」との評価コメントがありました。
受賞メンバーは、「不妊治療というセンシティブな課題に取り組むことについて不安もありましたが、悩んでいる人の声を聞くにつれ、『必ず解決する!』という強い気持ちに変わっていきました」と実証実験を振り返りました。
エイカレ2021 特別審査員賞
日本イーライリリー株式会社「More Lilly」
審査員特別賞を受賞したのは、チーム・More Lillyです。
現在、医療関係者の情報収集源はインターネットが増えているうえ、コロナ禍の多忙および面会制限もあって、「会いたい」と思われるMRであることは重要課題です。
このため、More Lillyは人材育成の手段である「同行」に着目。部下は上司から教わるものという当たり前を壊し、MR自身が教わりたい人を“主体的”に選ぶ「マッチングLilly」を導入。各個人の持つ強みをもとに同行依頼を出すことで、教わる側のアジリティとモチベーションが向上しただけでなく、上司や教える側のMRのモチベーション・スキル向上にも繋がりました。
審査員の白河桃子氏から「これまで『与えられるもの』であった育成機会を、本人の意思で「選択できる」機会に転換した点が素晴らしかった」と選出の理由が述べられたほか、他の審査員からも「変化の激しい時代にあっては、上司が答えをすべて持っているとは限らず、自ら学ぶという姿勢(自律型人材)が益々求められていく。時代にマッチした施策だと感じた」「上司や同行に選ばれなかった人にとっても、刺激になる」などのコメントが上がり、新たな育成方法を確立した点が評価されました。
受賞メンバーからは、「マッチングシステム作りは試行錯誤の連続でした。メンバーだけでなく、営業部門全体の協力のおかげで実証実験を行うことができたと思っています。実用化に向けて、今後もシステムの構築に取り組んでまいります」と喜びと決意表明がありました。
ファイナリスト
サントリー酒類株式会社/サントリービバレッジソリューション株式会社/サントリーフーズ株式会社
「SUN+」
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
「SBGs / Sustainable Boehringer Girls」
今年度はフェムテックにも通じる視点が盛り込まれる一方で、キャリアも働き方も「自分で選択する」という自律的なキャリア構築や「属人化防止」に繋がるような実証実験が目立ち、サステナブルに働くための意識の変化、営業の「今」を色濃く反映した営業変革の試みが各社で実施されました。
【審査基準】
- 破壊と創造:営業の当たり前について、課題を適切に把握し、破壊と創造にチャレンジしている
- 労働生産性:実験開始前後/前年同月比で定量的に比較し、労働生産性が落ちていない
- 顧客価値: より高い顧客価値の提供が出来たか・その可能性があるか
- 巻き込み力:個人だけではなく上司や組織等のサポートが得られている
- 汎用性がある:組織、業界を超えて全体に広がりうる
【審査員】
- 佐藤博樹氏 中央大学大学院 戦略経営研究科教授
- 白河桃子氏 昭和女子大学客員教授、相模女子大学大学院特任教授、東京大学 大学院情報学環客員研究員
- 太田彩子氏 一般社団法人 営業部女子課の会 代表理事 兼 Founder、株式会社ベレフェクト 代表取締役
- 川村美穂氏 経済産業省 経済産業政策局 経済社会政策室 室長
- 今期エイカレ参加企業 各社役員
本年度の総評として、審査員である太田彩子氏より「エイカレからは毎年、社会を、会社を変える実証実験が生まれ、大きな勇気と未来の可能性を感じ、感動しております。特に今年は、営業という仕事の責任範囲の拡大を感じました。営業担当者一人ひとりの社会的責任は、ただ目の前の数字を追う数字主義ではなく、顧客、組織、市場全体、そして売主である私たち全員のステークホルダーの幸せを背負っているものだと感じました。一方で、DX化で営業部門における分業化が進み、営業担当範囲が狭まって視野が狭くなってしまうケースもあり、留意も必要です。これだけ変化の激しい時代に、新しい「稼ぐ力」のあり方が問われていることを痛感しました」とのコメントが寄せられました。
「サステナビリティ時代の営業モデル創出」をテーマに、業界・会社の「当たり前」に挑戦し、経営提言するエイカレサミット2021。
新たな顧客価値と労働者の価値観の変化に対応した様々な実証実験を生み出し、閉幕しました。
EXPERIMENT SUMMARY
実証実験一覧