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エイカレ2022 フォーラムレポート後編
新たな顧客価値の創造

 

営業の女性が実証実験を通して変革に挑む「新世代エイジョカレッジ(エイカレ)」。
2022年度のキックオフ、エイカレ・フォーラムが9月8・9日の2日間、開催されました。
本レポートでは、フォーラム2日目の様子をお伝えします。

1日目の様子はこちらから(https://eijyo.com/report/forum2022_report01)


Day2

Chapter5
「営業」という仕事を再考してみよう



フォーラム2日目は、「営業キャリアの作り方」をテーマに、「無敗営業」の著者・高橋浩一氏とチェンジウェーブ取締役・大隅聖子の講演でスタートしました。


 
この先営業を続けたい?グラフ


「エイジョ」として切りひらいてきた道のりを追う

 
まず登壇したのは、チェンジウェーブ・取締役の大隅です。営業で培った力、経験でキャリアを輝かせ、リクルートからローソン、永谷園へ。現在はチェンジウェーブの他にもベンチャー企業の取締役COOを務め、企業のシニア市場進出のコンサルティング事業を立ち上げています。
実は、最初は「営業がイヤでイヤで仕方なかった」そうですが、ある事件をきっかけに「営業こそが、自分と仲間の未来をつくる仕事」であると考えるように。その後、数々の事業を成功に導きました。
今は「営業の経験とスキルこそが自分を支え、ビジネス人生を豊かにしてくれた」と感じているそうです。
 
「管理職、執行役員とキャリアを積んできましたが、振り返ると、自信がなくても飛び込んで正解だったと思います。自信は遅れてついてきます。親愛なるエイジョのみなさまには、ぜひ果敢に挑戦してほしい。心から応援しています」
とエイジョにエールを送ったあとは、意外なコメントも。
「一つの企業にとどまらず、多様なものを見た方がイノベーティブになれるのでは、と以前は思っていましたが、今、それは違うという気がしています。なぜなら、仕事は『信頼と実績』だからです。新しい環境でゼロから積み上げるよりも、一つの会社で新しいチャレンジをする方がやりやすい。振り返って、本当にそう思います」
 
この話を聞いて、自分にある「思い込み」に気づいたエイジョも多かったようです。
 

 

求められるのは 「わかってくれる」 営業

 
続いてご講演いただいたのは、TORiX株式会社代表取締役 高橋浩一氏です。
現在のコロナ禍が大きな影響を与えた「営業を取り巻く環境の変化」と「営業に求められる価値」についてお話しくださいました。
 
「一言でいうと、営業に求められるレベルが上がり、難しくなった。なぜなら、世の中に様々な情報があふれ、決定権、選択権がお客様主導になったからです。関係を築くハードルも上がり、多くの人が『営業は難しい』と感じています。しかし、エイジョのみなさんは、営業で成果が出せるポジションに既にいるわけです。それは大きなアドバンテージとなります。ここで成果がだせれば、大きな可能性がひらける。どこからも引っ張りだこですよ。」
 
しかも高橋氏は、難しい状況のなかで成果を上げるために「超人的なスキルが必要なわけではない」といいます。
 
「お客様が『最高だ!』と思う営業とは、どんな人でしょうか。聞いてみると、『わかってくれる人。意図を把握してくれる人』という意見がダントツで多いんです。では、『わかってくれる人』になるためには?SNSやインターネットを使った情報収集など、努力する方法はいくらでもありますが、とにかく、お客様が求める営業像と、営業担当者との間にズレが生じていては、成果につながりません。まずは求められるものを把握し、ズレを埋めること。営業は、人を助ける仕事であると同時に、自分が助られる仕事でもあります。目の前の人に対して、誠実に仕事を進めていけば、幅が広がり、未来がつくれると思います」
 

お二人の講演からは、「営業で培った力が未来を創ることにつながる」という強いメッセージが伝わってきました。
 
FORUM2022day2 集合写真


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Chapter6
特別審査員に聞く エイカレ「実証実験」のポイント



2日目の午後からは、企業ごとのチームに分かれ、いよいよ実証実験計画を立て始めます。
今年度のテーマは、「新たな顧客価値の創造」。
特別審査員の佐藤博樹教授(中央大学大学院 戦略経営研究科 )には、実証実験で大切なポイントを解説していただきました。



グラフィックレコードDay2-2


「実験のポイントは2つあります。
一つは、これまでの営業のやり方や価値を見直そうという点です。社会が変化する中にあって、これまでの方法論のままで顧客に新しい価値を提供することはできるのか。それを問い直してみてほしい。
そしてもう一つは、多様な人が活躍できる職場をつくろうという点です」
 
「また、課題を設定するときには、初心に帰ることも大切。仕事を始めたばかりの頃に感じていた疑問を思い出してみてください。慣例に流されて蓋をしてしまった、違和感の中身を探ってみてほしい」。
 
そして佐藤先生は、実証実験の意味について
「実験で試すことで、根拠を示すことができる。その結果、自社を動かすだけでなく、他社に採用されることもある。つまり、日本の営業現場を変えることにもつながるのです」
と説明しました。
 
「実証実験は実験の中身も大切ですが、この体験を通して、メンバーはもちろん他部署や顧客など社内外の様々な人と関わりますし、協力を仰ぐ場面も出てくる。そのためには、説明をして交渉をして、理解を得なければならない。これは、ビジネスパーソンとして必要なスキルですよね」
「もっと言えば、他者を理解する・動かす力はマネジメントにも必要不可欠。これから管理職になるエイジョにも大切だね」
 
エイカレを、成長の場として十分に活用してほしいという佐藤先生の想いがこもったメッセージでした。


Chapter7
2021年度の受賞者による変革ストーリー

 
最後を締めくくるセッションでは、2021年度、大賞を受賞した中外製薬株式会社様と特別審査員賞の日本イーライリリー株式会社様にご登壇いただき、実証実験のプロセスやその過程で得た気づきをご披露いただきました。



グラフィックレコードforum2022_02



2021年度審査員特別賞
日本イーライリリー株式会社「More Lilly
<発表資料:https://eijyo.com/report/summit2021.html#lilly_slide>
 
Speaker:
岡崎 樹里 様(自己免疫事業本部 営業課長)
水田 圭一 様(営業本部 営業企画 部長)
 


岡崎様
まず、メンバーそれぞれが主体的に、自分の意見を持って臨むことが大切です。そのうえでテーマを決めるわけですが、一番大事なのは、考えていることが「できるかできないか」ではなく、「やってみたいかどうか」を優先すること。当たり前の現状を変えるための実証実験です。しかも、自分たちでやり遂げなければならない。だからこそ、自分たちが「楽しい」と思えなければ、走り抜けることはできません。自分にブレーキをかけない。それが大切です。
 
通常の営業活動にプラスしての取り組みなので、時間的には本当にタイトです。これから大変なことが待ち受けていると思いますが、答えがないことを創りあげるという貴重な体験ができます。限界まで悩んで、突き進んでください。
 
 
事務局 水田様
事務局としては、3つのことに注意を払っていました。一つは、彼女たちが動きやすいように環境を整えてあげること。二つ目に、判断や決断を誘導しないこと。そして最後に、彼女たちの頑張りがここで終わらず、会社の今後につながっていくこと。こうした点に気をつけて、彼女たちを見守ってきたつもりです。
エイカレでは一生ものの体験ができると思いますから、ぜひ思いきり頑張ってください。





2021年度大賞
中外製薬株式会社「きぶみー5」
発表資料<https://eijyo.com/report/summit2021.html#giveme5_slide
 
Speaker:
水沼 絵美里 様(関東北・甲信越統括支店)
佐藤 華英子 様(人事部ダイバーシティ推進室)


水沼様
私たちがテーマとして取り上げたのは、「不妊治療と仕事の両立」です。現在、出産や育児に対しては手厚い制度がありますが、不妊治療に対するサポートはまだありません。「言いにくい」を破壊し、悩みを伝えやすい職場環境につながれば、ということで、このテーマを選びました。
 
実を言うと、初めは「できること」を優先し、違うテーマを選んでいました。でも、締め切りギリギリまで話し合って、やっと出たのが「不妊治療」でした。今、振り返ってみても、テーマ選定が一番大変だったように思います。
せっかくエイカレの舞台に立つのですから、これまでにないアイデアで、女性にしかできないプランで挑みたい。そんなメンバーの強い想いがチームの力になりました。チームで議論を重ね、本音を言い合える関係ができていましたし、悩んでいるメンバーのリアルな声を土台に置いたことで、やりぬく力も生まれたように思います。
 
不妊は女性の悩みと思われがちですが、男性社員からも「取り上げてくれてありがとう」「エイカレで実践する意義は大きい」という声をいただき、励みになりました。
エイカレを通して、現場から、そして女性から発信することの意義を感じました。営業職で女性はまだマイノリティかもしれませんが、私たちならではの自由な発想を会社に広げる可能性も持っています。この機会を利用し、最後まであきらめずに挑んでください!


事務局 佐藤様
エイカレの事務局として一番大切にしているのは、エイジョ本人が自分たちで考え、動くことです。最初は「できること」を考えて表面的な課題に留まりがちですが、「なぜ、そのテーマなのか」「それは本当にやりたいことなのか」と繰り返し問うていくと、彼女たち自身に気づきが生まれ、発言が変わってきます。本当に向き合いたい悩みに立ち向かっていく姿勢が生まれます。
もちろん、会社としてもエイジョのみなさんの想いをバックアップするために、エイジョが上層部に発表する機会をつくったり、声を吸い上げるといったこともしていきます。
毎年、エイカレで参加者たちは必ず成長します。この成長を近くで見られることが、事務局としての楽しみです。
 
 


Wrap Up
いよいよ実証実験へ

 
自分のマインドを整え、未来に想いを馳せたフォーラムの2日間。
最後は14チームのリーダーが意気込みを発表しました。
 

  • 「エイジョの未来をデザインする」
  • 「大賞をとる!」
  • 「やるしかない!」
  • 「愛と思いやり」
  • 「わくわくを大切にがんばるぞ」
  • 「KAERU」
  • 「やるなら楽しく」
  • 「楽しくやって自分も会社も顧客もwin win win」
  • 「気楽に笑顔で」
  • 「Our Crecia 挑戦」
  • 「4人の発想で日本を変える FANTASTIC4」
  • 「Final絶対残ります」
  • 「楽しむ」
  • 「せっかく集まった4人 大きなことを成し遂げたい!」

 
フォーラムを終えたエイジョたちは、変革に向けた一歩を踏み出しました。


FORUM2022wrapUP

 


エイカレ2022の集大成、サミット(最終発表会)は2023年2月22日を予定しています。
サミットには、今期ご参加企業のほか、エイカレへの参加を検討されている企業様もご参加いただけます。以下のフォームよりお問い合わせください。

昨年のサミットについて詳しくはこちら 
http://eijyo.com/report/SUMMIT2021.html
お問い合わせはこちら 
https://eijyo.com/contact.html

グラフィックレコード

フォーラムの2日間を通して、本プログラムをグラフィックで記録(レコーディング)しておりますので、ぜひご覧ください。


DAY1-1 Introduction エイジョ的本音アンケート DAY1-2 エイカレで見えてきた変革ストーリー DAY1-3 私のエイジョ的問題の本質 DAY1-4 エイジョ的「ライフ・キャリアデザイン」 DAY1-5 ゲスト講演 DAY2-1 ゲスト講演 DAY2-2 パネルディスカッション DAY2-3 サミット・実証実験エイジョアワードについて DAY2-4 卒業生によるストーリー DAY2-5 実証実験計画 & WrapUP

FORUM2022
開催レポートDay1

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2022年2月22日開催レポート

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10月開催レポート