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エイカレ2021 フォーラムレポート
サステナビリティ時代の変革を生む

 

20219月、新世代エイジョカレッジ(エイカレ)2021年度のキックオフとなる、フォーラムをオンラインで開催しました。
 
エイカレは、営業女性(エイジョ)が「当たり前」を崩し、変革を生む異業種プラットフォーム。今年で8年目を迎え、参加者はのべ 137社、 837名を数えます。
「実証実験」を主眼に置いた実践型で、フォーラムに始まり、各企業での実証実験、ファイナリスト選考審査会を経て、サミットと呼ばれる最終発表会まで約半年間のプログラムとなっています。
フォーラム2021には北海道から九州まで、70名近くのエイジョが参加し、MC及びファシリテーションは株式会社チェンジウェーブの佐々木裕子と鈴木富貴が務めました。
 
 

2021年度テーマ「サステナビリティ時代の営業モデル創出」

 

エイジョカレッジ・フォーラム2021オープニング

 

エイカレは 2014年に「 10年経つと営業現場から9割の女性が消えてしまう」という問題意識からスタート。世の中の変化を受けて、女性活躍推進から営業変革にまでスコープを広げてきました。
しかし、昨今の新型コロナウィルスの感染拡大は、 DXによる働き方の多様化など、営業現場を取り巻く環境をさらに大きく変化させています。
こうした中で、お客様にとっても、社員一人ひとりにとっても、社会にとっても、サステナブルな成長が求められています。 2021年度は、そんな時代にふさわしい営業モデルの創出にチャレンジします。
 
フォーラムは、大きな挑戦に向かうためのマインドセットやインプットを行う場で、いわば「自分変革」の 2日間です。
 

エイジョカレッジ・フォーラム2021開催模様

 
 
終了後、参加者からいただいたアンケートには「私たちが、現状を変えられる」と信じ、前向きな一歩を踏み出す声が並んでいました。
 

参加者アンケートより抜粋

  • 営業と一言で言っても全然違う働き方をしていて視野が広がった
  • 異業種の方と交流することで、自分の会社の進んでいるところや、足りないところ、どちらもあることが分かった
  • 業界が異なっても、営業として同じ悩みを持っていたり、キャリアプランに共感できたりし、自分は間違っていないと安心感があった
  • 友達としない会話(仕事や本音)を同世代とできて、モチベーションが上がった
  • 業界の当たり前を壊すのは大変だけど、やりがいがあると思った
  • カッコいい営業女性の方がたくさんいて、希望を持てた

 

エイジョが皆、初めからこんなにポジティブだったわけではありません。
では、どのような変遷を辿って自己変革を起こしたのか。フォーラム2日間のハイライトをご紹介します。
 


Chapter1 現状を知る ~本音アンケート~

 
 
今、エイジョは何を考え、何に悩んでいるのか。
まずはオンラインアンケートシステムを活用し、リアルな声を全体共有しました。
終盤、「この先も営業は続けていきたい?」と問うと、半数以上が「現時点では分からない」「決めていない」「不安がある」とモヤモヤを抱えている様子。ブレイクルームに分かれ、異業種メンバーと交流した際にも、「正直、今の環境では難しい」「営業職にこだわらなくてもいいのかも」などの本音が聞かれ、営業女性を取り巻く現状の一端が伺えました。

 
この先営業を続けたい?グラフ





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Chapter2 変革ストーリーを「自分ごと」にする



こうした厳しい現実から、創りたい未来へと変革を起こすにはどうしたらよいのか。
続いては、実際に変革を起こした先人たちのリアルストーリーに触れるセッションです。
同世代、似たような環境に置かれている先輩の変革ストーリーは、エイジョに力強く響きました。



 
 
今回は 2020年度大賞の三井住友海上火災保険株式会社様と審査員特別賞の協和キリン株式会社様から先輩エイジョとその上司の方々をお招きし、実証実験の舞台裏を伺いました。
 
 

 

#マネチャレ!」 三井住友海上火災保険株式会社
私達のライン課長チャレンジ!マネチャレ!

 
Speaker

東京企業第一本部 部長(企画・営業推進担当) 宇都宮 重忠氏
東京企業第一本部 課長代理          谷口 理恵氏
総合営業第四部 第一課 課長         橋本 直子氏
総合営業第五部 第二課 課長代理       米重 沙緒理氏
 
#マネチャレチームの皆さん



#マネチャレ!」では、ライン課長の業務を体験してみる(マネージャーにチャレンジ)という実証実験を行い、 23人の営業女性が実際に挑戦。「私には無理」から「私でもできそう」「従来の管理職像に縛られず、自分の長所を活かせばいいんだ」というマインドに変化し、前向きに管理職を目指す気持ちになったそうです。

※マネチャレ!についてはこちらから
https://eijyo.com/report/eikare2020case01.html

 
谷口さんは「1年前のフォーラムではまったくアイデアが浮かばず、途方に暮れたが、この修羅場体験を超えて視座が上がった」、橋本さんは「業務ではなかなか体験できない、無から何かを生み出す、という成功体験が積めた。エイカレ後は業務でもあきらめずに考え抜く、ということができている」と話してくれました。米重さんは、「エイカレでも成果に拘って、最後までやり抜くことができた。営業への想いがより強くなった。」と語っていました。


また、上司としてエイジョをサポートされた宇都宮さんは「目に触れやすいところでミーティングを行っていたので、頑張っていることが雰囲気からも伝わってきた」「かなり早い段階から経営層を説得に行っており、感心した」と話し、昨年フォーラムの講義で学んだ「組織の動かし方」をしっかりと実践していたことも明らかになりました。
 
 


 

KKCheer's」 協和キリン株式会社
REBORN営業 ~WEBで繋ぎ、生まれ変わる営業~


Speaker

大阪支店 姫路営業所 所長 前田 信一氏
大阪支店 姫路営業所 藤原 旭世氏

KKCheer'sの皆さん



KKCheer’sは「 WEBを活用した人材育成システムの創出」に取り組み、社員が自ら企画・出演するナレッジ動画 17本を制作・配信。労働生産性と顧客価値へのインパクトを測りました。結果として、動画で共有されたノウハウの実践等によって訪問件数が 2.3倍に増加。労働生産性は大きく向上し、 実験に協力した方の 99%が今後も継続してほしいと希望したそうです。この取り組みは、現在営業部門以外にも展開が検討されており、エイカレの実証実験を自社の変革に活用されている様子が伝わってきました。
 
今年の参加者からは「忙しい中でどのように実証実験準備の時間を確保したのか」など、リアルな質問が寄せられましたが、藤原さんは「本業である仕事では、手を抜かないことが大前提。担当業務を優先順位付けし、効率よく時間配分していくなどの工夫をした」と答え、本業の生産性も同時に向上するコツを伝えました。
 
また、先輩エイジョとして「どうせやるなら、思い切ってやる」「この実証実験に挑むことが今すぐどんなメリットになるかは分からなかったとしても、突き進むことが大事。後から見えてくるものは大きい」と、エールを送りました。
先輩の話に勇気づけられたのか、今期のエイジョたちからも「そんなことができるんだ」「私たちにもできるかも」「変えられる、っていいかも」という声が聞こえ始めます。


※REBORN営業についてはこちら
https://eijyo.com/report/SUMMIT2020#KKcheers.html


Chapter3 ライフキャリアデザインシートで自らに問う



変革が「自分ごと」になったあとは、一気に実証実験に向かっていく!
のではなく、「ライフキャリアデザインシート」を活用して自分自身に向き合います。
大きな挑戦を行う際には、起点である自分がブレていないことが大切です。
 
ライフキャリアデザインシートは、自分自身のライフとキャリアを具体的に書き出すことで人生を俯瞰し、ありたい姿をイメージしやすくなるツールです。このシートを使ったワークを通して、「管理職に挑戦するならば、今から準備をしなければ!」「子育て中は時短勤務をしたいと考えていたが、期限を決めていなかったことに気がついた」など思いがけない発見があったという声が聞かれました。
 
自分自身のありたい姿やキャリアに対する解像度をあげていくと、「今」すべきことや優先順位も見えてきます。自分自身のキャリアや人生を主体的に切り拓いていく原動力は、まさにここから生まれるとも言えます。
 
 
 


Chapter4 ゲスト講演「大きな会社の動かし方」

 
自分自身のマインドを整えたところで、変革に向けた具体的な準備に取り掛かります。
エイジョが「こんな風に会社を変えたい」を実現させる上で、避けては通れない会社の動かし方のイロハについて、起業家・投資家・経営者であり、これまでに数多の新規事業を手掛けてきた麻生要一さんに紐解いていただきました。
 
講演の中で印象深く残ったのは、「社内政治」という言葉です。
組織を動かすためには、社内で働く力学を理解し、求められるステップを確実に踏んでいく必要があります。
「会社を変えるために『良い提案』は大前提。できうる準備は全てしたうえで、周囲への発信や経営層まで意見を通していくことが大切」という言葉には大変重みがありました。
 


Chapter4 いざ、実証実験へ

 
インプットのパートが終了すると、いよいよ実証実験の準備が始まります。
 
エイカレでは、エイジョが自分や会社が抱える 悩み・課題に向き合い、その解決に向けて「行動を起こす」ことに主眼が置かれています。
企業ごとに組まれたチームで、現場目線からどうしても解決したいと考える課題とそれに対する具体的な解決法を実証実験で検証していきます。

 
エイジョカレッジ・フォーラム2021グラフィックレコード02

 

実証実験に関しては、特別審査員である佐藤博樹教授(中央大学大学院・戦略経営研究科)からお話しいただきました。
 
実証実験を行う意義は、何といってもデータが取れることです。
社内で広く変革を起こしていくためには、まずは小さくても根拠を持って変化を示す必要がありますので、今回の実証実験のデータが社内を説得していく上での強力な材料になります。
また、実証実験自体も、目的や手法の設定で大きく質が異なってきます。何を破壊し、何を創造するのか、それは顧客満足度や労働生産性の維持・向上に繋がるのか、しっかりと考えることが大切です。
 

エイジョカレッジ・フォーラム2021グラフィックレコード今年度のテーマ

 

実証実験計画の時間には、「これ辞めたらどうなる?」「いや、結構いけるんじゃない?」「こういうの、やりたかったんだよね!」といった声とワクワクするアイデアが幾つも生まれていました。バディと呼ばれる他社チームとアドバイスし合う時間も設けられ、異業種・他社ならではの視点から新たな気づきも得られたようです。
 
コロナ禍がいまだ続く 2021年度は、どんな実証実験が生まれ、変革につながっていくのか。最後は各チームのリーダーが「挑戦」「必ず大賞を取る!」などの力強い意気込みを発表し、フォーラムを終了しました。
初日のアンケート時にはモヤモヤしていたエイジョの表情が、終了時には見違えるほどにキラキラ輝いており、ポジティブな声が溢れていたのが本当に印象的です。
 

エイカレ2021の集大成は、サミットと呼ばれる最終発表会です。
実証実験の成果は、来年1月に予定されているファイナリスト選考審査会で発表され、全チームの中から最終発表に進むファイナリストが選出されます。翌2月のエイカレ・サミットで行われる最終発表には、参加企業以外にも有識者が審査員としてご参加くださり、ファイナリストの中から1社が大賞に選ばれます。
 
サミットには、今期ご参加企業のほか、エイカレへの参加を検討されている企業様もご参加いただけます。以下のフォームよりお問い合わせください。

昨年のサミットについて詳しくはこちら 
http://eijyo.com/report/SUMMIT2020.html
お問い合わせはこちら 
https://eijyo.com/contact.html

グラフィックレコード

フォーラムの2日間を通して、本プログラムをグラフィックで記録(レコーディング)しておりますので、ぜひご覧ください。


Day1-1 Introduction エイジョ的本音アンケート Day1-1 Introduction エイジョ的本音アンケート Day1-2 パネルディスカッション エイカレで見えてきた「変革ストーリー」 Day1-2 パネルディスカッション エイカレで見えてきた「変革ストーリー」 Day1-3 エイジョ的問題の本質 Day1-3 エイジョ的問題の本質 Day1-4 ライフキャリアデザインシートの作成 Wrap UP Day1-4 ライフキャリアデザインシートの作成 Wrap UP Day2-1 ゲスト講演 Day2-1 ゲスト講演 Day2-2 ディスカッション Mid Closing Day2-2 ディスカッション Mid Closing Day2-3 サミット 実証実験エイジョアワードについて Day2-3 サミット 実証実験エイジョアワードについて Day2-4 実証実験計画 Wrap UP Day2-4 実証実験計画 Wrap UP

SUMMIT2020
2021年217日開催

FORUM 2020
10月8・9日開催レポート

事例紹介
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