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当たり前を壊し次世代型営業モデルを創出する 
新世代エイジョカレッジ フォーラム2019 

 

異業種の営業女性が変革を目指すプロジェクト、新世代エイジョカレッジ(エイカレ)。
スタートから6年目を迎え、参加者は104社、661名を数えます。
 
2019年度のテーマは「当たり前」を壊し、次世代型営業モデルを創出する。
株式会社チェンジウェーブが企画・運営を担当し、7月、フォーラム部門がキックオフしました。 


Chapter1 多様なエイジョが活躍するために

 

 
 
会場アンケートによると、今回参加したエイジョ(営業女性)は、未婚、既婚、子育て中がほぼ同数でした。
エイカレがスタートした6年前には、「エイジョの9割は入社10年以内に現場を離れている」というデータがありました。「女性がライフイベントの影響なく、営業現場で活躍し続けるにはどうしたらよいのか」という課題感からエイカレが始まったことを考えると、時代の確かな変化を感じます。 

Q今、営業、楽しい?
 

「営業は楽しい?」という質問には、半数以上のエイジョが楽しい、と答えています。
しかし「この先が不安」「モヤモヤしている」が8割以上も。

 Q.この先も営業を続けたい?
 

営業が楽しいのに、「これからも続けたい」エイジョは4割以下。
フォーラムでは、その不安やモヤモヤの底にある課題に向き合い、未来への一歩を踏み出すことをゴールに置いています。
 


Chapter2 エイジョの本質的課題とは

 
 まずはチェンジウェーブが作成し、発表したエイカレ白書から、課題解決のヒントを探ります。
 
2016年度の調査では、「営業」という仕事に対して、女性は「好きだけれど続けたくない」と考える人が多く、男性は「営業を続けたいというよりは、管理職になりたい」人が多く見られました。
 

  
 

女性が「続けたくない」理由として挙げたのは、時間とやりがい。
 
家庭との両立が難しいのではないか、時短勤務になると顧客に迷惑がかかるのではないか、と思っている人ほど、営業を続けたくない、管理職にはなりたくない、と考えていました。
2016エイカレ白書 http://eijyo.com/report/summit2016/


 

では、顧客はどのように考えているのでしょうか。2017年には、顧客が営業に求めるものが変化している、という結果が出ています。
 
価格競争よりも効果的な情報分析など、パートナーとして力になってほしい、と考える顧客が増えていると言えます。
 
エイカレ白書2017 http://eijyo.com/report/summit2017/

また、働き方に関しても大きく変化が見られます。
2018年の調査では、市場変化のスピードが速い中、「組織の業績」と「組織満足度」を上げるのは、柔軟な働き方の実現である、という結果が出ました。
また、このグラフには見られませんが、時短勤務者や育児・介護中のメンバーの有無は業績に関係せず、むしろ若干上がる場合がある、というのも注目に値するデータでした。
 
エイカレ白書2018 http://eijyo.com/report/summit2018/
「当たり前」だと思っていた働き方、顧客の意識も、自分の思い込みを外したら違って見えるかもしれない。営業でこれから成果を上げるには、違うやり方があるかもしれない。
こうした背景をふまえ、2019年もエイカレでは「当たり前」を壊し、「次世代型営業モデル」を創出する、をテーマにしています。


Chapter3 エイカレをきっかけにして、人と組織を動かす

 
今回のフォーラムで大きな反響を呼んだのは、ゲスト・麻生要一さんの講演でした。リクルートで 1500件以上の新規事業を創出したほか、 1100人を超えるスタートアップ起業家を支援するなど、数々の実績を残したのち、 2018年に独立、起業。企業内インキュベーションプラットフォームを手掛ける企業や、ゲノム・ DNA解析の提供を行う企業を創業・経営する起業家であり、投資家です。
 

麻生要一氏
 
「大きな会社の動かし方」と題した講演では、
自分のやりたいことを会社に承認してもらい、動かしていくには何が必要なのか、
正論をそのままぶつけるのではなく、会社を変えるために真に必要な動き方と準備の仕方をリアルな事例と共に語ってくださいました。
 

 

また、このあとのパネルディスカッションには、 2016年度に大賞を受賞した「なりキリンママ」チームのリーダーで、現在はキリンホールディングス・人事総務部の金田亜弥香さんが加わり、エイカレの実証実験をきっかけにしてどのように会社を変えたのか、そのポイントを話してくださいました。
 
「なりキリンママ」についてはこちら
http://eijyo.com/report/summit2016/
 
「なりキリンママ」は、エイジョが 1か月間ママになりきる、という実験を通して、労働時間の変化や業績、周囲の変化を検証したものです。
結果、残業時間の削減に成功し、業績も全国平均を上回ったばかりか、当初否定的だった上司が人事部に向けて「この実験はもっと社内に広げるべき」と直談判するまでになるという、大きな変化を生みました。
変化はそれだけに留まらず、その後、「なりキリンママ・パパ」として、社内で実験を継続。子育てだけでなく、介護やパートナーの病気といった事情を加えて実施しました。ついに2019年には、全社に展開。メディアからも高い注目を集め、これまでに神戸市や他企業でもこの取り組みが採用されています。
 
フォーラム当日の 20197月にも、キリングループでは内勤、外勤、工場問わず、全国で組織長を中心に「なりキリンママ・パパ」実験が研修として実施されていました。
たった 5人から始めた実験がここまで大きく広がり、会社を動かした一番のポイントは「トップの理解」と「社内外問わず、多くの人を味方にする」ことだそう。
女性だけのメリットに終わらず、「多様な人材が活躍できる環境を整える」という会社の方針に適したものにしたこと、時代の流れをも味方につけたこと、上司や顧客へのメールにも実験を認識してもらえるような工夫をこらしたことなど、周囲を巻き込んでいく力が強く感じられる話に、参加したエイジョのメモする手が止まりませんでした。 

Chapter4 行動を起こす

 
フォーラムの構成は大きく2つに分かれています。
まずはエイジョの課題に改めて向き合い、いつもとは違う角度から捉え直してみること。
自分自身のキャリアデザインに取り組んだり、異業種のエイジョ同士で議論したり、また、ゲストや卒業生の話からも新しい視点が得られ、自分の未来に前向きな姿勢が生まれます。
  
そして、自分の未来を変えていくための具体的な一歩を踏み出すのが「実証実験」です。
参加企業ごとのグループに分かれ、「次世代型営業モデル」を創出するための実験計画を立てました。
・多様な人が活躍できる営業の職場を作るために、労働生産性を向上する
・時代と共に変化する顧客ニーズをとらえ、顧客価値を創出する
この2つをベースに、営業の当たり前を破壊し、新しい価値を創造するための実証実験です。
  
フォーラム部門に参加するのは13チーム。
社内で1か月間の実証実験に取り組み、有識者審査を経て選ばれたファイナリストが20202月のエイカレサミットに出場します。
実験結果もさることながら、その過程で社内外の人脈を得たり、組織の動かし方を体感したり、プレゼンテーションスキルや資料作成力も向上するなど、例年、エイジョたちは素晴らしい成長を見せます。
どんな次世代型営業モデルが提案されるか、今年も楽しみにしています!
 
 



実証実験の有識者審査員、佐藤博樹教授(中央大学大学院戦略経営研究科)
 

サミットは、今期エイカレ参加企業のエイジョと上司にご参加いただけます。また、来期の参加を検討されている企業のご担当者も参加可能です。infoよりお問い合わせください。
 
エイカレサミットについて http://eijyo.com/
お問い合わせはこちら info@eijyo.com
 お問い合わせ→ 


 フォーラム当日、リアルタイムで描かれたグラフィックレコーディングもご覧ください。
 

グラフィックカタリスト・ビオトープ 松本 花澄さん
アラワス 関 美穂子さん 

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