エイカレ卒業生は、今
~キリンビバレッジ株式会社 井尻綾夏氏、キリンビール株式会社 加藤ますみ氏、メルシャン株式会社 河野文香氏(エイカレ2016ご参加)
エイカレ2016で大賞に輝いた、キリングループ「なりキリンママ」チームの実証実験は、2019年には「なりキリンママ・パパ実験」として全社展開されました。現在では多様な働き方に対する理解を実体験によって深めるための人事施策となっています。
EIJYO COLLEGE SUMMIT 2016 詳細レポート
「時間制約のある働き方を体験する」という実証実験をやり抜き、経営層に提言したメンバー5人は、その後、どんなキャリアを歩んでいるのでしょうか。
なりキリンママのメンバー、井尻様、加藤様、河野様にお話を伺いました。
聞き手は、エイカレの企画・運営を務める株式会社チェンジウェーブの鈴木富貴です。
プロフィール
井尻 綾夏 さん(キリンビバレッジ株式会社 首都圏地区本部首都圏流通支社)
加藤 ますみ さん(キリンビール株式会社 流通営業本部)
河野 文香 さん(メルシャン株式会社 首都圏支社)
エイカレでの気づきをその後にどう活かすのか
鈴木:
皆さんがエイカレに参加されてから5年、様々な変化があったと思いますが、まずは現在のお仕事について、お聞かせいただけますか。
井尻綾夏様:(以下、井尻)
エイカレ参加当時は広域開発営業部に所属し、鉄道系の企業様を担当しておりました。
現在は首都圏地区本部に異動し、量販企業様担当の営業です。量販企業のお客様は女性が多いこともあり、主に女性のお客様向けの販売戦略を考えています。
実は、現在所属している部門には、2012年からスタートした女性知見活用プロジェクトがあり、昨年(2021年)まではその量販チームのリーダーを務めていました。エイカレに参加したことやなりキリンママでの実績を評価いただいたということがあったかもしれません。
ただ、昨年、プロジェクト発足から9年目となり、知見が培われたことや組織への浸透が十分に見られたことなどから、発展的解散をしました。10年前は弊社内で営業職の女性は極端に少なく、このようなプロジェクトも必要だったと思うのですが、時代や働く人の意識の変化と共に営業職女性はかなり増えました。プロジェクトが役割を終えたことは、営業女性の状況が大きく変化した証拠だと思っています。
鈴木:
井尻さんご自身も営業職としてますますご活躍されておられますし、貴社内で女性営業職そのものも増えたということなんですね。
加藤さんは、なりキリンママの実績、気づきがその後のキャリアに影響していると思われますか?
加藤ますみ様:(以下、加藤)
私はエイカレ参加当時、東北エリアにて量販店担当をしていましたが、昨年春に本社に異動しました。現在はセールスサポート部にて、全国の営業向けのサポートを行う仕事をしています。
特に希望を出したわけではなかったので、本社への異動はとても驚きましたが、なりキリンママの経験もあって、全国の営業職の働き方に関わるポジションに来たと理解しています。全国の営業職に向けて情報を発信する機会も多くありますが、営業出身であることを活かして、相手に無駄な時間をとらせない、生産性の高い発信の工夫を心掛けています。
「なりキリンママ」を続けています
河野文香様:(以下、河野)
私は、エイカレ当時と同じ部署(株式会社メルシャンに出向中)で、営業職として働いています。この5年間で2回出産し、育休を取って復帰しました。同じ部署にはいますが、担当する得意先が増え、現在は業界大手の酒類量販店を担当しています。
鈴木:
2人のお子さんのママになられたんですね。どんな働き方をされているんですか?
河野:
なりキリンママをそのまま続けています!
現在、4歳と1歳の男の子2人を育てていますが、時短勤務はしていません。時差出勤で8:30から17:00という勤務時間、残業なしの働き方で営業を続けています。
家族やチームと協力しあって業績も上げられていますので、所属部長からは「コスパ抜群の社員」と言われています。
鈴木:
「コスパ抜群の社員」…最高の生産性ですね。
できることはたくさんある やってみないと分からない
鈴木:
エイカレに参加されて、仕事の向き合い方やキャリアについて、意識の変化はありましたか。
加藤:
人生観が大きく変わったというわけではないですが、「キリンという会社には、挑戦させてもらえる環境がある」ということを強く感じました。
また、実証実験を通して「行動すれば、できることはたくさんある」「やってみないと分からない」ということもよく分かりました。ですから今は、新しいことに直面したときにも、食わず嫌いをしないようにしています。そういう意味では、(自分の)ネガティブさが払拭されたとも言えると思います。
また、エイカレ参加から5年が経ち、リーダーという役割に関して、よりリアルに感じるようになりました。リーダーになることへの不安が100%払拭されたわけではないですが、なりキリンママの取り組みや会社の人事制度のおかげで、以前よりはイメージしやすくはなったと感じています。
河野:
私は2回の出産を経たこともあり、意識が様々に変化しました。
たった5人で始めた「なりキリンママ」の取り組みが、社会に変化の波を起こすことができたという経験はとても大きかったです。
エイカレ以前は「商品を通して、(社会に)価値を伝える」ということを、営業という仕事を通して実践してきましたが、エイカレをきっかけに「なりキリンママ」という新たな方法で、弊社のブランド価値向上に貢献することができたことは、キャリアの視野を大きく広げてくれました。
これまでの5年間は「なりキリンママ」を生み出した者の責任と言うのか、営業女性として成果を出し続けてきましたが、今後は様々な方法で企業価値を向上させるといった仕事にも興味を持っています。
井尻:
エイカレの時は、営業職が楽しいけれど、(ライフイベント等を迎えても)続けていけるのかという不安がありました。しかし、今では、なりキリンママでの経験もあり、今後も営業としてキャリアを続けていけるし、いきたいと思っています。
社内で女性営業はずいぶん増えましたが、増えているのは私たち、または私たちより下の世代なんです。後輩女性のロールモデルになれたら、とも思います。
課題解決に堂々と取り組めるパッケージ
エイカレを最大限、活かすには
鈴木:
皆様、それぞれに大活躍されていること、そしてとても素敵なビジョンを聞かせていただき、ありがとうございました。
最後に、今後エイカレに参加されるエイジョたちへメッセージをお願いします。
加藤:
正直、エイカレに参加している時はしんどいと思います。通常業務も減らない中で、実証実験に本気で取り組めば取り組むほど大変です。ですが、エイカレは目の前にある課題の解決に挑戦できるとても貴重な機会です。普段思ったとしてもなかなかできない、課題解決に堂々と取り組むことできるパッケージなので、ぜひ楽しんで取り組んで欲しいと思います。
河野:
私たちが参加した5年前と現在では、エイジョが直面している課題は異なると思います。現在を生きるエイジョには、現在必要とされる働き方改革があると思いますから、ぜひ、現在、そして未来のエイジョのための課題解決に取り組んでみてください。
目の前の課題に取り組むことで、会社も変えることができるし、ひいては社会全体も変えていくことができると思います。
課題や問題を前向きに捉えて挑戦できるチャンスなので、私たちと一緒に、もっともっと良い社会を作っていきましょう!
井尻:
エイジョの皆さんは、変化する時代に合わせた新たな課題に、今後も向き合っていくことになると思います。熱意があれば、会社も社会も変えられます。貴重な時間を使って参加するせっかくの機会ですから、ぜひ全力でチャレンジしてください。応援しています!
鈴木:
なりキリンママチームの井尻さん、加藤さん、河野さん、本日は本当にありがとうございました!