EIJYO COLLEGE 2015
営業女性の定着率は低く、自らスタッフ職への希望をしたことがある女性はアンケートを取った営業職100人の86%に及んだ。長時間労働の現状から、家庭と両立する将来像が描けずに「見切り異動」をしているケースも多い。しかし実際には育児と両立をしている”エイママ”にアンケートを取ると、「営業ママとしてやりがいを感じている」という回答がE-girlsでは多く、「両立できない」ということは思い込みであることが分かった。
そこで、長時間労働でなくても成果が出せるということを当たり前に思える世界を目指す。自分たちの一週間のスケジュールを洗い出し、18:30に退社することを目標に労働生産性向上を図る実験を行ったところ、時間短縮に失敗した日は仕事に追われてトラブルが発生していることが分かった。労働生産性向上には、営業に対する主体的な「志」でトラブルを未然に防ぐことと時間意識が大事であることが分かった。そこで、志を共有し、鍛える「All Japan Sales Club」という営業ネットワークの構築と、時間意識をサポートするモバイルアプリケーションの「エイジョタイマー」を提案する。
現在活躍している営業女子が、出産後も変わらずに営業で実績を上げ続けられることを目指す。現状は、ママ予備軍、ママ、マネージャーのそれぞれに、「時短」か「長時間労働」のどちからしか選択肢がないという固定概念がある。コミュニケーションを円滑化して出産前からキャリアロードマップを描く面談を実施すること、第一線に出産後女性を配置し、7社横断のリーグ戦で業務効率化や目標達成度などを評価する「エイママリーグ」を提案する。
営業職の30代女性比率を20代と同水準の40%まで引き上げることを目指す。エイカレに参加している2社のデータによると、2000~2005年入社で初期キャリアで営業に配属された女性の85%が営業以外に流出しており、一度営業を出ると「片道切符」で戻る事例がほぼないことが分かった。
人事へのヒアリングをすると、「制約のある社員を営業現場が受け入れたがらない」ことが理由としてあげられており、女性自身は3割が「続けたい」、半数近くが「条件が合えば営業を続けたい」と考えている。そこで、キャリアパターンを強制的に変化させるような若手向けの短期ジョブローテーションや、面談や研修を通じてキャリアデザインを支援するプログラムを提案する。
育児をする前の営業女性25人にアンケートを取ったところ、全員が「結婚しても営業を続けられると思うか」という質問に「YES」と答えた一方、「出産しても営業を続けられると思うか」という質問には全員が「NO」と答えている。実際に育児中の営業女性に聞くと「なんとでもなる」「効率的に仕事を進められるようになって、むしろ自信がついた」といった声が聞かれ、育児前の女性のイメージとのギャップがあることが分かった。
実際に育児と営業の仕事の両立をしている女性に工夫を聞くと、①家庭事情をマネージャーなどとしっかり情報共有をすること、②自分のやるべき業務に集中し、得意な人にそれ以外をお願いするということ、③業務を見える化し、不在時でも外から指示ができるような体制を組んでいることの3つをしている。この3つの工夫を盛り込んだ「メディチシート」を作り、チームメンバーとの共有やフィードバックがしやすい仕組みを提案する。
営業女性たちは、社内外の男性たちから心無い言葉を投げかけられたり、女性たち自身の中に「出産をしたら時短は10年必要」「時短は痛々しい」などの誤ったイメージがあったりして、キャリア展望を描けない状況にある。ロールモデルに出会ったり、営業女子のネットワークを作ったりすることで、正しい知識と広い視野のもとに実際の育児との両立をイメージしてキャリアプランを描くと、上を目指しながら営業を続ける展望が開けてくる。そこで、営業女性が集まり、仲間とともにライフ・キャリアプランを描いて、それを上司とともにブラッシュアップするようなパッケージを提案する。