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SUMMIT2023 REPORT【大賞チームインタビュー】
エイカレでの実証実験を経てエイジョはどう変わったか

SUMMIT2023 大賞チーム インタビュー

「営業にアイデアを!」
持続可能な働き方を目指し、社内外を動かしたエイジョたち

 
「新世代エイジョカレッジ(エイカレ)」は、企業で働く営業女性(エイジョ)が、企業やその業界の「当たり前」を崩し、新たな働き方と営業モデルの創出に取り組む営業変革実証実験プロジェクトです。2014年にスタートし、累計参加企業は157社。1000人近いエイジョが参加しています。
 
エイカレ2023 開催レポートはこちら
https://eijyo.com/report/summit2023_report01.html
 
2023年度の大賞を受賞したのは株式会社 明治の「Cinderella」チーム。
昇格するには転勤がつきもの、営業は対面ありき、という根強い「アタリマエ」の破壊に取り組みました。
 
実証実験では、男女共にいきいきと働くことができる「強い営業組織の確立・業績向上」を目指し、メリットもある転勤を廃止するのではなく「営業のリモート化」を選択。10人の単身赴任者の協力を得てトライアルを実施しました。ワークライフバランスの改善を立証しただけでなく、制度化に向けた課題を明確化したこと、具体策を提案したことが審査員に高く評価され、大賞に輝きました。
 
本レポートでは、4人のメンバーにエイカレ参加によって起きた変化について伺いました。


 

株式会社 明治 「Cinderella」メンバー

営業推進本部 住吉美佐さん (チームリーダー)
営業推進本部 德納歩さん
関東支社 時田阿紀さん
西日本支社 德重優子さん

(写真、左から 所属は取材当時)


本気で「会社を変えたい」と思えた

 
ー大賞おめでとうございます!受賞されて、どんな感想をお持ちでしょうか?
 
住吉 
まさか自分たちが大賞を取れるとは思っていなかったので、発表のときは喜びよりも驚きの方が強かったです。終わってから「おめでとう」と多くの方に声をかけていただき、影響力を実感しました。今はこれをきっかけに会社を変えたいと素直に思っています。
 
時田 
参加する限りは自社の営業女性のためになることをやろう、と考えてテーマを決めました。大賞受賞に戸惑うこともあるのですが「会社を変える一歩」になったことは本当に良かったと思います。
 

エイカレサミットで発表する住吉さん、時田さん

 

営業スキルを社内外でフル活用し実証実験を実現

 
ー実証実験のテーマは「営業のリモート化」でしたね。どのように決められましたか。
 
住吉 
通常業務と両立しながら実験にも取り組む、と考えた時、最初は結果がある程度予想できて段取りもしやすい無難なテーマにしようか、とも思いました。でも、最終的には全員が「これをやりたい」というテーマを扱うことに決めました。
実は、エイカレに参加するタイミングで夫の単身赴任が決まって私がワンオペになり、「営業ってやっぱり転勤ありきなのか」という悩みを持っていたんです。德納さんにも以前、夫の単身赴任でワンオペ育児をした経験があって「やっぱり、そこを変えないとダメだよね」という思いがありました。

 
 
実証実験に参加してくださる方への打診を含め、どのように進めていかれたのでしょうか。
 
德重 
単身赴任をしている社員にリモート営業をしていただく必要がありましたので、たくさんの方にお願いしました。「今のタイミングは難しい」「準備時間も短すぎて無理」と、断られ続けて心が折れそうになりましたが、面識のある方からお話を進め、協力していただける方を見つけていきました。
 
德納 
想定はしていたのですが、思った以上に「それは無理でしょう」と否定されることがありました。ご本人が「やってみたいね」と言ってくださっても、その方の上長から「今抜けられると困る」という意見や「対面しない営業は営業じゃないでしょ」と言われることもありました。
 
ー何が難局突破につながったのでしょう?
 
住吉 
もう、とにかく社内営業をしました。営業たるもの、根回ししてこそだと思いました。営業のスキルをフル活用して取り組みました。
最終的には「家族と一緒に過ごしたい」という思いが皆さんにも強くあり、私たちと同じ気持ちの方が多かったので、前向きに付き合ってくださったのだと思います。
 

 

 
「何かあった時に相談できる」仲間が社内にできたことが財産

 
ーエイカレに参加したことで変化したこと、気づいたことがあれば教えてください。
 
時田 
私は普段から仕事を抱えがちで、人に頼むのも申し訳ないし、自分でやった方がいいと思ってしまう方でした。でも、今回、それぞれの課題をすり合わせすることで生まれるものの大切さとチームの良さを実感しました。メンバーの得意なところや個性が見えて、「こういうところ見習いたいな」と思えたことで、自分もこれからさらに頑張りたいとも思えました。次に何かあった時には相談できる関係性ができたことが本当に嬉しいです。
 
住吉 
私も、このメンバーに出会えたことが何より大きな財産です。本当に数少ない女性営業職で、これから戦友としてもずっと繋がっていけるだろうなと思えたことは、すごく良かったなと思いますね。
 
德納 
入社した時と比較してみると、会社の制度やシステム的な部分はすごく変わってきていますが、営業スタイルはあまり変わっていないのではと感じました。
営業は結果が見えやすく、やりがいのある仕事ですが、客先や要望が複雑化していく中で大変になってきていることもあります。今回の実証実験が、会社が変わる1つのきっかけになったらと思います。
 
德重 
営業職で役職に就いている女性が、自社内にこれほど少ないのだということを改めて実感しました。今、自分たちがどういう役割を担っていて、会社が全体的に良くなるためには私たちがどう振る舞っていかなければならないのかを再認識したように思います。後輩が私たちを見て「頑張ろう」と思ってもらえるようになりたいと思いました。
 

 

 

せっかくなら「本当に変えたいこと」をやる
本気で会社を変える一歩にする

 
4年ぶりのリアル開催となった今回のエイカレサミットでは、各社の事務局や営業部門の先輩、同僚などの方々が応援団として陪席されていました。
事務局として「Cinderella」のメンバーを見守られた、山口さんからも一言お願いします。
 
(株式会社 明治 人財開発部 部長 山口恭子さん)
当社は今年エイカレに初めて参加しましたので、「会社の『当たり前』を変える」という取り組みにどれだけの方が賛同してくれるのかというのは、全くの未知数でした。メンバー4人が忖度することなく本気のテーマを定め、営業本部長が「やろう」と言ってくれただけでも参加した意味は大きかったと思っています。
 
そのうえ大賞という素晴らしい結果をいただき、メンバーは大きな自信を得たと思います。発表の最後に彼女たちから「自分たち自身がロールモデルとして頑張っていきたい」という言葉があり、会社の今後の成長に期待が持てました。当社の営業女性の活躍については正直ここがスタートだと思っていますし、まだまだ課題もあります。「会社を動かす」というのは一人でできることではありませんが、エイカレの経験がきっと次につながっていくと考えています。
 

エイカレサミット2023 授賞式にて 株式会社 明治の皆さん
 

ー最後に、これからエイカレに挑戦するエイジョにメッセージをお願いします。
 
時田 
何を目的に参加するかはそれぞれ異なると思いますが、せっかくなら本当にやりたいこと、本当に自分が変えたいことをやった方がいい。これは絶対に伝えたいです。
 
住吉 
自分が正しいと思ったことについて動きたいと思ったとき、ある程度の役職や発言権がないとできることには限度があります。ですが、エイカレ参加は大きな後押しになるのではないかと思います。私たちは今回の実証実験をただの研修に終わらせず、大賞受賞を武器に、会社を変えるために本気で動いていきたいと思っています。
 
通常の業務をこなしながらエイカレに挑戦するのは大変です。それでも、無難なテーマを選ぶより、本当に社内で変えたいと思っていることに取り組む方が想いは強くなりますし、後悔がありません。人生で1度きりの挑戦だと思って、本気で社内改革に取り組んでみてください!
 
 


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