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SUMMIT2021 REPORT
「やってみなはれ」 現場から声をあげたら1300人が応援してくれた

10年で9割の営業女性(エイジョ)が現場から消える」という危機感からスタートした新世代エイジョカレッジ(エイカレ)。
8期目を迎える2021年、結婚・出産を理由に離職するエイジョは減少していますが、「このまま続けていけるのか」という不安は完全に払拭できたとは言えないようです。
 
誰もがイキイキ働ける営業を目指して「どこからでも働ける」「チームで価値を出す」というトライアルに取り組んだ、サントリー(サントリー酒類株式会社/サントリービバレッジソリューション株式会社/サントリーフーズ株式会社※2021年12月末時点SUN+チームの事例をご紹介します。

SUN+ トライアル
「サントリー流 新営業モデル “チームWORK” “どこでもWORK”」


目指すゴール
個・場所から脱却し、誰もがイキイキ働ける営業を目指す
営業の仕事は「個人に紐づく」「全国転勤は当たり前」を壊したい

トライアル
“チームWORK”
・チーム制度を導入し、不測の事態への対応体制を作る
・ペア制/複数人でのチームを組んでお得意先を担当する
・酒類担当と飲料担当がチームで1つのお得意先を担当する

“どこでもWORK”
・遠隔地からの業務をトライアル
・東京のお得意先を、大阪に3週間滞在しリモート営業

SUN+ チームメンバー

 
青山 未奈さん(サントリー酒類株式会社)
宮沢 明日香さん(サントリー酒類株式会社)
駒野 聡美さん(サントリーフーズ株式会社)
山田 泰子さん(サントリービバレッジソリューション株式会社)

 

「現場が命」の業界で、新しい顧客価値を生むには

 
「テーマは全然決まりませんでした。とにかく、自分たちが働き続けるうえで困っていることを挙げていこう、というところから始めました」(山田さん)
 
SUN+のメンバーが原点に置いたのは、自分たちが感じる「現場のリアル」でした。
コロナ禍でリモートワークが進んだと言っても、食品業界は「現場が命」。今後のキャリアを考えたとき、お得意先は必ず自分が対面で商談し、全国転勤が当たり前という働き方に課題がある、と考えたそうです。
 
 

 

その課題感が確信に変わったのは、サントリー社員・1113人に実施したアンケート結果を見たときでした。課題として社員から「営業が属人的であること」「全国転勤があること」などが挙げられました。
「転勤はクリティカルな問題です。ただ、そのためには属人的な業務の解消も不可欠。このため、今回のトライアルでは、営業の属人化と転勤という2つの課題を扱うことにしました」(青山さん)
 
アンケートを通してエイジョの取り組みに興味を持ち、背景を質問してくれた人や、「新しい働き方をぜひ提言してほしい」と期待の言葉をかけてくれる人など、社内から大きな反応があったことで、営業職の働き方への関心が高まっていることを改めて実感したそうです。


業界の当たり前を壊すチーム制を実施
ソリューション営業でお得意先の価値を発揮した

 
自分たちの働き方を変えると言っても、営業職として、お得意先のニーズに応えることは大前提です。“チームWORK”、“どこでもWORK”が受け入れられるか、最初は心配したそうですが、やってみたら「面白いことするんだね!」とポジティブな反応が得られました。
 

 
例えば、「飲料と酒類は別々に商談する」という当たり前を崩し、飲料担当と酒類担当で連携、チームで商談に臨んだところ、新しい企画提案につながったとのこと。

 

 
サントリーフーズ株式会社広域営業本部 塩原啓之 部長からは
「お客様のニーズすべてに応え、お困りごとに対応するという意味で、営業はこれまでのプロダクト営業からソリューション営業に移行してきている。その流れの中で、複数の視点でお得意先に提案できるチーム営業は有効ではないか。実は食品と酒類では『業界の当たり前』が異なる部分があるので、違いから学びあうことも大きい。当社でも、責任ある立場の者は、知識や経験を生かして酒類・飲料ともにカバーすることがあるが、担当者レベルにおいても(チームで営業することで)メーカーとしての強さにも繋がると感じている」と期待の声がありました。


「リモートの良さ」と「リアルの必要性」を組み合わせ
業界の商習慣に風穴を開ける

 
一方、“どこでもWORK”では「リモート商談」を導入。ペア担当制(“チームWORK)とリモート商談を組み合わせたトライアルも行いました。
お得意先にはオンライン商談が初めてという方もいたそうですが、「意外といけるね」と好意的な感想がもらえたほか「実は(店舗でなく)家から商談できてありがたい」という声もあったそうです。緊急時には現場に行けるペア担当が対応し、クオリティを担保したこともお得意先の安心感につながりました。
 
そして、新型コロナウィルスまん延防止措置が解除され、対面での営業が戻りつつある現在(20224月)、お客様の方から「この連絡はオンラインで良いよ」と言われることも出てきたとのこと。小さな変化のように見えますが、90%が対面営業、現場での商談が当たり前だった業界であることを考えると、確かな結果を生んだと言えます。
100%リモート、ということはこれからもないと思います。ただ、商談の内容、適性にあわせて選ぶ、という『新しい当たり前』が生まれましたし、だからこそ、1回の商談の価値がより問われることになると思います」(宮沢さん)
 

 


現場から声をあげることの大切さ
会社が受け取ってくれることも実感できた

 
今回のトライアルを通して、お得意先・社員ともに満足度が向上。SUN+のメンバーは、役員に対しても結果を答申したそうです。
「自分たちが感じるリアル」にこだわり抜いた半年間はメンバーにとってどんな経験になったのでしょうか。
 
一人で思っているだけでは変わらないことを、トライアルという事実を持って役員にぶつけられたのは、貴重な機会でした。自分がおかしいと思うことは、男女問わずおかしいと思っているんだ、それを声に出して言っていいんだ、と実感できました。決して楽な研修ではありませんが、未来を始める一歩になったと思います」(宮沢さん)
 
「時間が経つにつれ、エイカレは貴重な経験だったという想いが強くなっています。特に印象深いのは、子連れでの遠隔地勤務というトライアルに背中を押してもらったこと。サントリーの『やってみなはれ!』精神を100回くらい感じ、本当にいい会社だと実感しました。
また、今までは上司に言われたことを必死にやるタイプで、こんなに会社の課題を考えることはありませんでした。エイカレを通して現場から声をあげる、変えていけることの大切さを学びました」(青山さん)
 
「最終プレゼンのオンライン配信を、多くの方が見てくれました。自分としては、自分の働きやすい環境を考えるのは楽しかった、という感想を持っていたのですが、後輩のエイジョから『勇気づけられた』という声をもらい、今回の取組みが、後輩のやる気にもつながったのかと驚きました。自分にもやれることがあるんだと自信がつきました」(山田さん)
 
「普段の業務では関わる事のできない関係各所の協力・お得意先へのアプローチなど、サントリーのバックアップだからこそできた事がたくさんありました。今までチャレンジしてみたかった事を実際にトライアルし効果検証が経験できるのはエイカレならではだと感じています。そして何よりも一緒に走り続けられたチームメンバーとの出会いが代え難い自分自身の財産になったと思います。今後も当たり前に囚われないチャレンジをエイカレの経験を活かし挑戦していきます!」(駒野さん)
 
「チーム営業をどう機能させるか」「リモートワークならではの価値を出すには」
SUN+のトライアルは、営業職が抱える古くて新しい課題に真正面から取り組むものでした。
エイカレサミットで審査員から多くの質問が寄せられたことからも、業界を問わず、関心が高いテーマであったことが伺えます。彼女たちの一歩、起こした変化が今後どのように広がっていくのか、期待を寄せたいと思います。
 

SUMMIT 2021
2月22日開催終了

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