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事例紹介 
オンライン営業を全国展開!withコロナ時代をビジネス変革のチャンスに

新型コロナ感染症が拡大した今春、企業の営業活動は大きく変化しました。訪問を自粛し、オンラインや電話など「会わない」営業スタイルにシフトせざるを得なくなったからです。
しかし、この変化を「当たり前を崩す」機会と捉え、ビジネスモデル変革につなげた企業があります。
 
今回はエイカレ発の実証実験をスピード感溢れる展開で全国に広げられた、日本イーライリリー株式会社様の事例をご紹介します。

92%の顧客が満足!オンラインで「つ・な・ぐ説明会」

 
エイカレでは、2017年度から、自分たちの当たり前を崩し、新しい顧客価値を提供できる次世代型営業モデルの創出をテーマにしています。
2019年度、日本イーライリリー株式会社の営業女性4人で編成したチーム「4WINS」は「つ・な・ぐ説明会」と「家族会議」という2つの実証実験を行い、ファイナリストに選ばれました。
 
「つ・な・ぐ説明会」は1人の営業職が複数の顧客(医師等)をオンラインでつなぎ、複数人が同時に参加するというオンライン説明会です。
MRと言えば医師を訪ねる11の対面営業、話ができるまで長時間待つのが当たり前、というイメージがあります。複数の顧客を対象にする場合は、医療施設での説明会実施や医師・研究者の講演会開催などがあるそうですが、準備に時間がかかり、提供できる情報には限りがあります。もっと迅速に顧客ニーズに対応できる方法はないだろうか?と彼女たちは考えました。
 
実際、80人の顧客にアンケートしたところ、
MRが提供する薬剤のエビデンスを知りたい、でも忙しくてなかなか出かける時間がとれない…という顧客の姿が浮かび上がってきました。
 
そこで、顧客のニーズと都合の良い時間をMRが調整、複数の医師が参加できる「つ・な・ぐ説明会」の開催を試したところ、約1か月の実証実験期間中に12回の実施で92%の顧客が満足した、と回答しました。「他施設の医師の質疑や臨床疑問が、自らの診療にも役に立ち勉強になった」、「オンラインで参加できるため、忙しいスケジュールの中でも参加することができた」など、好意的な意見が寄せられました。
 
また、MRにとっても、労働生産性が大きく向上するという結果が得られました。
準備時間・待ち時間は従来の53%、週の労働時間は7時間近く減った一方で、顧客との面会時間は164%増。業績も対前年同期比で137%になったのです。

コロナ禍が「当たり前」を崩す。実験から2か月で全国展開へ

 
エイカレサミットで 4WINSがこの結果を発表したのは 2月中旬。その直後から新型コロナウイルス感染拡大の影響が広がり、多くの人が在宅勤務を余儀なくされました。
しかし、「つ・な・ぐ説明会」はこの状況に言わば後押しされる形で広がっていきます。
4WINSのリーダー・藤原幸恵さんにその展開を伺いました。(インタビューはオンラインで 20205月中旬実施)
 

 

3月上旬から重要・緊急の場合を除いてMR訪問禁止という施設が増えました。
4月の緊急事態宣言後には、弊社も製造部門を除く全社で在宅勤務となりましたので、顧客に対しては電話、メール、オンラインなどで対応するようにしています。医療の現場は大変な状況ですから、ご要望に応じたやり方をとることが第一です。
 
ただ、皆が一斉に外出を自粛したことで、オンライン面談へのハードルが下がったと実感しました。オンライン診療が始まったことも大きいかもしれません。「会わなくては」という当たり前が変わり、これまでなんとなく控えていた、という方にも「トライしてみたい」とおっしゃっていただけたりしました。
 
こうした流れがあったことに加え、実証実験での顧客満足度の高さが、上司を動かしたように思います。
私は大阪支店で勤務しているのですが、大阪支店長が後押ししてくださり、エイカレサミットから1か月も経たないうちに大阪支店全体で「つ・な・ぐ説明会」を展開することになりました。リモートワークをどう工夫するか、思案している時でもありましたし、「これは面白い」「また参加したい」と医師からもMRからもとても評判が良かったんです。実証実験の結果が裏付けられた形になりました。
すると今度は営業統括部長の理解が得られました。その後パイロット版の実施やマニュアル作成を経て、4月上旬からは全社、つまり全国展開されるようになったんです!
 
エイカレ事務局である人事本部はもちろん、計画段階からサポートしてくださった当時の直属の上司、営業組織の理解と支援、そして本社でインフラ整備を進めてくださった方たちの力があって、このスピード感ある展開につながったのだと思っています。

 

オンライン営業がもたらした思わぬ副産物

 
全国展開されて1か月が過ぎ、社内でより多くのMRが「つ・な・ぐ説明会」を経験したことで、さらに知見が積み上げられました。エイジョが予想した以上のメリットも分かってきたそうです。
 
まずは、「MRの成長に寄与できる場になりうる」ということ。
製薬業界に限らず、近年では営業職のOJTは難しくなっています。先輩に同行して学ぶ時間はなかなかとりにくいのが現状です。しかし、オンラインであれば、移動時間が削減できるため、複数の説明会に参加しやすくなります。「他のMRの説明、伝え方、例示の仕方などを聞けて、大変勉強になる」「他施設での質疑応答を通し、必要とされている情報・ニーズがより多くキャッチできる」という感想が、年代・性別を問わず寄せられました。
 
また、「顧客が積極的な姿勢で聞いてくれる」という感想も多かったそうです。
・通常の説明会と異なる環境のためか、より積極的に話を聞いてもらえた
・対面の時よりも資料をよく見てくれるため、説明が丁寧にできた
・オンラインで他施設という新しい状況にも拘わらず、主体的にご参加いただけた
などの声が挙げられました。

エイカレを利用して、現場から会社を変える

 
日本イーライリリー株式会社では、以前からオンラインでの講演会の実施には積極的に取り組んでおり、100人以上が参加するウェブ講演会などは既に開催されていました。
しかし、顧客のニーズを丁寧に捉え、双方向のコミュニケーションが取りやすい「つ・な・ぐ説明会」が加わったことで、多様な要望により応えやすくなったと言えるかもしれません。
 
「営業部女子課の会」の代表理事・Founderであり、エイカレの審査員でもある太田彩子さんは、この取り組みについて以下のようなコメントを寄せてくださいました。
  

まさに「4方よし」。
「自社がハブとなりお客様同士をつなぐことで貢献」の考えが体現できた素晴らしい取り組みです。
さらに「お客様の満足結果」が会社全体の行動変容を導いた、組織としての波及効果も高い取り組みだと感じました。

私たち一般社団法人 営業部女子課の会では、コロナ禍の20204月に、「コロナ時代のモノの売り方~営業職のテレワーク」調査を実施いたしました。(詳しくは:https://eigyobu-joshika.jp/information/info_study/4736.html )ここでは、リモート営業(非対面の営業)では、6割が困っているという結果でした。5月になっても同じようなアンケートを実施していますが、この「困っている」感は変わらず高い状態でした。さらに、「何に困っているか?」という質問には、「顧客や取引先との信頼関係をどう強化するか」が1位でした。突然のフルリモート営業をコロナ禍で余儀なくされて、慣れない活動に試行錯誤していたのです。
政府による緊急事態宣言が解除された今、これからの働き方はどう変わるのか?時代は元には戻りません。対面営業の機会は回復しつつも、リモート営業(非対面営業)のニーズは拡大していくでしょう。いわばリモート営業元年であるいま、このエイカレの取り組みは他社でも参考になること間違いありません。

 
 4WINSのリーダー・藤原幸恵さんは20201月から課長職に昇進、今後はマネージャーとして、より働きがいある組織にしていきたいという意欲を見せています。
最後に「エイカレ参加で得たもの」としてこんなコメントをくださいました。
  

エイカレという異業種プロジェクトで他業界、他社の取り組みに触れ、視野を広げられましたし、たくさんの刺激を受けました。
実証実験は全くのゼロベースから考え、実行するという初めての経験でしたが、現場のMRがボトムアップで会社の上層部に影響を与えることができたという、本当に貴重な経験でした。他部署の応援もいただき、全国展開まで出来たというのは自信にもつながっています。今後のキャリアにきっと役立つと思っています! 

 

 
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